ハモコミ通信2024年2月号
生活に取り入れたり、仕事で生かすなどしていただけると本望です。
◎自然を感じる
「天の海(あめのみ)に 雲の波立ち 月の船 星の林に 漕ぎ隠る見ゆ」
この短歌は、飛鳥時代の歌人、柿本人麻呂が詠んだ歌で「天空の海に雲の波が立つ中を、月の船が星の林へと漕いで隠れていく」という内容です。
夜空を海原に例えたロマンチックなこの短歌からは、自然界の美しさをとらえた作者の優れた感性と芸術性が感じられます。
こうした感性を磨くためには、森林や海だけでなく、身近な自然への感動を味わうことが大切です。
例えば、寒い日に太陽へ手をかざして温もりを感じたり、冬を耐え忍ぶ花のつぼみの生命力に思いを馳せたりすると良いでしょう。
最も身近な自然物である人間の体に目を向けるのも面白いかもしれません。意識せずとも動き続ける内臓や緻密(ちみつ)に作られた骨格など、自身の体からも自然の偉大さや神秘を感じ取ることができます。
自然や人、物を美しいと感じることができるように、感性を磨く機会を多く持ちたいものです。
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<コメント>
たくさんの文明の利器と、社会的な分業制のおかげで、万葉びとよりも何でも短時間でできるようになった私達。
食料を確保するのも、洗濯をするのも、あっという間。余った時間を感性を磨く活動に振り分けたら、どんなに素晴らしいことでしょう。
現実的には、TV番組で梅沢富美男さんや千原ジュニアさんの俳句に唸るくらいがいいところです(笑)。
そんな私も通称 『オレの山』 を持つようになり、たまのワイルドソロキャンプで、少しは感性が磨かれている気になっています。電気も水もない里山森でのキャンプです。
夕暮れ時の雁の群れ、林冠からこぼれる満天の星、早朝の雪景色に朝日が当たってピンクに染まり、ピンクがオレンジになってやがて白に落ち着く、といった大自然のスペクタクル! 心が奪われ癒されます。
芸術的素養のある人は、そこから先その世界に没入して、溢れるインスピレーションを楽しみ、写真や絵や詩や俳句などで表現するのでしょう。うらやましいなぁ・・・。
◎清潔の意識
花王株式会社感覚科学研究所は、日本人の「きれいにする行為」について、民俗学・歴史学の観点から国立歴史民俗博物館と共同研究を行ないました。
その結果、身体・空間の洗浄、片付け、整理整頓といった「きれいにする行為」は時代を問わず一貫して、「空間や身体をリセットして新たな未来を迎えるきっかけになる」と信じられてきたことが確認できました。
例えば、江戸時代の年末のすす払いは、新年の年神様を迎える信仰的儀礼でしたが、これは年末の大掃除として現代に継承されています。
日本では、地域の公園や河川敷などを、地元の有志が進んで清掃する姿がよく見られます。
そうした行動の動機の一つは「その場を使う人が気持ち良く使えるように」との真心ではないでしょうか。
清掃には心身のリフレッシュ効果がありますが、清掃された場所を使う人にも、その効果が及んでいるでしょう。
きれいにする行為は自身と周囲に、よき未来をもたらしてくれるものと心得て、疎かにせず取り組みたいものです。
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<コメント>
日本人の特質の一つが 『清潔好き』 でしょう。
毎日風呂に入るというだけで特殊ですし、禊(みそぎ)という独特な風習もありますよね。
弊社では年4回の地域清掃と毎朝10分の社内清掃を行っています。コラムにあるような真心でやっていますが、結果して清掃している側の心身のリフレッシュにもなっていたのだ、と気づかされました。
所属している倫理法人会でも、毎月第3日曜の朝6時から、常盤木学園女子サッカー部の大勢の部員達と一緒に仙台駅前清掃を行っています。
終わって帰宅する道中、2か所ほどで、町内会主導の地域清掃を見かけます。
こんな国は他にはないだろうと思いつつ、一応調べてみたら、スポGOMIワールドカップ2023というのがヒット。ゴミ拾いをスポーツとして競技化したものです。
日本は2位、優勝はイギリスだと。そしてこの大会に世界20か国が参加している。うーむ…。認識不足だったか。
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