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ハモコミ通信2021年5月号

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今月も街ネタを2つご用意しました。
生活に取り入れたり、仕事で生かすなどしていただけると本望です。


◎感性の時代をどのように生きるのか 鈴木秀子氏のコラムより抜粋

 うれしきは
 こころ 咲きいづる日なり
 秋、山にむかひてうれひあれば
 わがこころ 花と咲くなり
 (詩人 八木重吉 「咲く心」)

私たちは嬉しく楽しい出来事に出合うと誰もが心が華やぎウキウキした気分になります。そして、それが最高の喜びだと感じます。

しかし、人生はいいことばかりが起きるわけではありません。春のような陽光に満たされた日を送ることもあれば、秋のように憂いと静かに向き合う日もやってきます。

人生はこのようなプラスとマイナスのバランスの上に成り立っているものなのです。

だからといって春がよくて秋が悪いということではありません。むしろ憂いを感じる秋だからこそ、生きることの面白味が深まっていくという見方もできます。

バタバタと慌てふためく自分を静かに受け止めて、その中で一体自分に何ができるのかを思い巡らして内省を深め、前進していくことが「わがこころ 花と咲くなり」という言葉に込められた思いであると読み解くこともできるのではないでしょうか。

「人生で起きることは、すべてよし」。そう心を定めて、喜びも辛い出来事も共に抱きかかえて乗り越えていくところに人間的な成長は生まれるのです。

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<コメント>

鈴木秀子さんの読み解きが深いですね。

メタ認知という言葉がよく聞かれるようになってきました。自分がものごとをどうとらえているかを客観視すること、と言われています。このメタ認知の質が高まると人生が豊かになると言われています。

喜びも辛い出来事も共に抱き抱えて乗り越えていく! ウキウキも憂いもどちらもよし! 実に素敵な感性ですね! そういうとらえ方でいきたいものです。

 


◎人生は満員電車

『アンパンマン』の作者で有名な、やなせたかし氏は、遅咲きの漫画家です。

34歳で会社を辞めて漫画家を目指しますが、長年ヒット作に恵まれず、70歳で絵本『アンパンマン』を原作としたアニメが脚光を浴びたのです。

「人生というのは満員電車じゃないかと思うのです。我慢して乗っていると、次々と人が降りていって、いつの間にか席が空いて座れる」という氏の言葉は、困難な状況でも辛抱強く努力を続ければチャンスが訪れることを教えてくれます。

物事を成就させる秘訣は、いったん目標を定めたなら終始一貫、歩みを止めないことです。心の持ちようによって、やがて状況が変化してくるのです。

結果を出せず絶望していた4、50代の頃、やなせ氏は「いつか、日が射し込んでくる」と自分に言い聞かせ、注文がなくても、漫画を描き続けたといいます。

明けない夜はありません。朝は必ずやってくるのです。

職場でも家庭でも、何か困難な状況に陥った時こそ、「きっと良くなる」と心に希望を高く掲げて、たゆまぬ努力を重ね、運命を切り拓いていきましょう。

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<コメント>

最近、旧満州からの引き揚げについての本を読み、過酷な状況下では、わずかな希望がいかに人を鼓舞するか、について感じ入りました。

やなせ氏は最愛の弟を特攻隊で失い、「なぜ自分は生き残ったのか。何のために生きるのか」を問い続けたそうです。

そんな氏の思いが凝縮されたのがアンパンマンです。テーマソングの歌詞の内容も深いですよね。

正義というのは時と場合によって変わるものが多いが、「愛=人を大切に思う気持ち」と「勇気=困っている人を助けること」だけは不変だ、と思い至ったのです。

自分の顔をお腹を空かした人に差し出す不格好なヒーローこそが真のヒーローなのだ、と。

2021.04.30:[ハモコミ通信2021]

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