ハモコミ通信2020年9月号
今月も、「まちネタ」(街で見つけたコラムに潜むコミュニケーションのネタ)をお楽しみください。
◎心の整理
製造会社に勤務するFさんは、整理整頓を習慣にしています。仕事が終わると、作業場で使用した道具を元に戻し、きっちり後始末をして帰ります。
きれいに片づけられた空間を心地よく感じるFさんですが、妻は多少散らかっていても気にしません。例えば、靴が散乱している玄関を見て、Fさんが片づけるようにと注意しても、反発するのです。
そのような妻に苛立つ日々を過ごしていたある日、Fさんはある一文を目にし、ハッとしました。自分の考えを妻に押しつけていたからです。
それは、「にこにこして話しかけると、相手は笑みかけて答える。大声でどなれば、むっとしてにらみかえす」というものでした。
《何がなんでも後始末をするべきだ 》 と決めつけていたことを反省したFさん。考えを改め、Fさん自らが靴を揃え始めました。
以来、妻の反論も不機嫌な表情も消え去り、玄関の靴が揃えられるようになりました。Fさんの考えが変わったことが妻の心に作用したのでしょう。
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<コメント>
作用反作用の法則というのは中学校で習った物理の法則ですが、これは物理だけじゃなくて、人の心にも当てはまるようですね。
言い争いの原因の大半は、その背後に隠れた「互いの心」でしょう。「こうあるべき 」の「べき」が強いと「責め心」となって相手の反発を買います。
そして語気が強かったりすると、言われた側は「相手の思い通りになどなってたまるか」と、よりかたくなに拒絶することになるでしょう。まさに心の作用反作用です。ではどうすればいいか?
自分の「責め心」に気づいて、責め心を外し、穏やかに話してはどうでしょうか? もしくはFさんのように、相手を変えさせようとせずに自分がやる。
自分が先に変わるのは「負け」だと思っているうちは、同じ意味合いの出来事が、違う形で何度もやってくることでしょう。これまでたくさんそういう経験をし、今でも時々そんな出来事から気づかされています。
◎お父さんはイカ
ある日、出張の多いAさんは妻から、幼稚園に通う次女の発言を聞きました。
妻の友人がAさんの家を訪れた際、次女に家族について質問をした時の話です。次女は「お母さんはきれいで、可愛いのはお姉ちゃん。お父さんはね、イカなの!」と答えたというのです。妻はその場で苦笑するしかなかったと言いました。
Aさんは晩酌が楽しみで、肴は必ずスルメだったのです。とはいえ、我が子が、父親と酒の肴とを一緒に捉えていることに複雑な気持ちになりました。
子供たちが間近に見る自分の姿は、晩酌の時間と休日だけということに改めて気づかされたAさん。《 子を導く父親なのに不甲斐ない 》と猛省しました。
以来、Aさんは自宅での過ごし方を変えました。家族と一緒に過ごし、とりわけ子供と接する時間を意識して作ったのです。
子供の成長と共に、親としての言動にも責任を持つことは大切でしょう。家庭でも職場でも、自身の言動は周囲から見られています。普段の行ないを時には振り返ってみることも必要です。
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<コメント>
弊社が今期力を入れている中の1つに社内研修(通称壱岐大学)があります。外部講師、内部講師 私 により、毎週2時間程度をそれに充てています。
その中の「図解コミュニケーション」では、自分の仕事、自分と違う担務を受け持っている人の仕事、社長の仕事を、全員がそれぞれ図解し、プレゼンしました。
社長私 の仕事をどうとらえているか、興味津々でしたが、みんな見えているとおりに表現してくれました。
まさにイカでした 笑 。
自分では多岐に渡る業務を、心づくりから、心配りから、企画から、微細なことに至るまで、とやっているつもりでいても、伝わっていることが実相である、ということがよくわかりました。
心と言葉と行動を一致させることを目標に、一層精進をせねば、と思った体験でした。
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