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ハモコミ通信2018年11月号

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今月も、「まちネタ」(街で見つけたコラムに潜むコミュニケーションのネタ)をお楽しみください。


 

◎「行動する」 ではなく 「試してみる」

 偉大な経営者の名言の中には、よく 「やるかやらないかではなく、やりぬく覚悟を持って事にあたれ」式の厳しい言葉が出てきます。

 偉大な事業を成し遂げた創業者の心の支えになった価値のある言葉かもしれません。しかし、20代の私には重すぎました。

 結果として、私を前に進ませる力としては「ゼロ」の言葉でした。むしろ、当時の私にとっては、やらないことを決定させるのに十分な言葉になりました。

 「良いこと」とわかっていても今一つ実行に移せないという言葉があるなら、その言葉はあなたにとって「重過ぎる」のです。

 20代の頃の私は、本の中にたびたび出てくる 「行動」という言葉に押しつぶされそうになりました。

 重要であることがわかっているのに、それができないでいる自分に耐えられなかったのです。

 「行動」という言葉を 「実験」という言葉に置き換え、「試験的にやってみよう」と考えるようにしたときから、世の中が明るくなりました。

 人間を動かす言葉は人それぞれです。はたから見てその人が 「やっている」と映るのであれば、動機付けとしての言葉はその人特有のものであっていいのです。

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<コメント>

 実にそのとおり!と拍手したくなるようなコラムです。

 正しいか正しくないか、というより、その人にいい影響を及ぼすか及ぼさないか、のほうが重要ですものね。

 重過ぎる言葉を軽くして、敷居を低くする。その人の実力に応じて臨機応変にやればいいですよね。

 私が禁煙に成功したのは31歳の時。それまで何度も試みては失敗の連続(笑)。ではどうやって成功したか?

 1年だけ 「休煙」しよう、という取り組みでした。それまでは、「食後の一服のガツンとした感覚を一生味わえなくなるのか」と考えただけで 「禁煙」は失敗。

 1年だけ休んで、また吸えばいい、そんな気楽さが成功につながりました。これがきっかけとなり、いろいろなことをポジティブに行えるようになりました。

 


 

◎ネジを巻く時間

 心臓血管外科の第一人者であり、「神の手」を持つといわれる、順天堂大学の天野篤氏。天皇陛下の執刀医としても知られています。

 エリート街道を順風満帆に歩んで来たように思われがちですが、氏は、三浪の末に医学部に合格しました。

 浪人時代はパチンコや麻雀に明け暮れ、回り道や挫折(ざせつ)も多く経験して、現在に至るそうです。

 しかし氏は、「こうした経験は自分にとってネジを巻く時間であり、その時間があったから、後に頑張ることができた」と語っています。

 そして、「挫折がなければ、人の痛みのわからない医師になっていたかもしれない」と振り返ります。

 誰しも、現在に至るまでの過去には、悔やまれる失敗体験を持っているものです。回り道をしてしまったことを後悔している人もいるかもしれません。

 しかし、挫折や回り道は、受け止め方によっては、決して無駄にはならないでしょう。

 そうした経験も含めて、過去を肯定して、次なる未来への一歩をしっかりと歩んで行きたいものです。

 

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<コメント>

 こういう方がパチンコ麻雀に明け暮れていたと聞くと安心しますね。私もそうでしたから(笑)。

 それはネジを巻く時間だったのだ、人の痛みを知る上で必要だったのだ、と、ハッキリ言える「今」があることが大切なわけですけど。

 ネジばかり巻いてきた私も今や57歳。そんな私が何とかやってこれたのは皆さんに支えられてきたから。感謝しかありません。

2018.11.02:[ハモコミ通信2018]

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