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ハモコミ通信2018年1月号

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今月も、「まちネタ」(街で見つけたコラムに潜むコミュニケーションのネタ)をお楽しみください。


 

◎三つの叱るコツ

(前略)

 叱っている時の私は、あなたを今よりも絶対によくしてやる、よくなるまではあなたの傍を離れない。ただそれだけを思っています。それが私の本心なんです。

 だから、選手にダメって言ったら、必ず直す方法を言うこと。こう直しなさいとちゃんと指示してあげることが大事です。

 直す方法って簡単そうですが、冷静にならないと上手く言えません。いまの若い子に、相手の気持ちを察するとか、人の背中を見て学ぶとかいうことを期待するのは難しいので、こう直しなさいとちゃんと言ってあげなければいけないんです。

 ここでみなさんに叱るこつをお教えするならば、叱る時はまっず現行犯で叱ってください。いまのそれがダメなんだって言われたら、人間は反省します。

 腹「君、この前も同じことを言ったよ」と古いことを持ち出してはいけません。これをやられると、いまやったことへの反省が薄れてしまうんです。

 もう一つしてはいけないのは、しつこく叱ること。それは本人の自己満足で、聞いている人は「もうわかったよ」て嫌気が差してくるんです。

 現行犯で叱ること、古いことを持ち出さないこと、しつこく叱らないこと。この三つの叱るコツをぜひ覚えてください。

 そして叱る時は本気でかかってください。相手がどんなに小さなお子さんでも、自分に本気でぶつかってくれているかどうかはわかるんです。中途半端に叱るくらいなら、最初から知らん顔をしているほうがましです。

 叱るとは、いま自分の目の前にいるこの人は、絶対にこのままでは終わらせないんだ。いまの状態よりも必ずよくなるんだと、その人の可能性を信じることなんです。

  だから本気でぶつかり、よくなるまであの手、この手で引き上げようとする。叱るとは、その子の可能性を信じるということなんです。

(後略)

 

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<コメント>

 シンクロナイズドスイミングの日本代表ヘッドコーチ 井村雅代氏をご存知でしょうか? 上は、テーマ「人を育てる〜愛があるなら叱りなさい」という井村氏の講演(2017.9)をまとめた記事からの抜粋です。

 井村氏が叱るのは計画的であり、叱り方を常に計算していることがわかりますね。冷静かつ本気で叱る。すべて良い結果へ向けて。

 叱り方の三つのコツ、いかがでしょうか? 基準が非常に簡潔明瞭ですね。

 今はティーチングよりコーチング、教え込むより引き出す、という考え方がもてはやされています。レベルが低いうちはティーチング中心で、ある程度以上に成長してきたらコーチングの割合を高めたほうが成果が出る、と。

 代表選手たちはある程度どころかすでに一流レベルの人たちですが、井村氏の指導方法は、かなりティーチングに近い内容です。

 また、叱る時はみんなのいる前ではなく、別室で、ということもよく言われますね。大実業家稲盛和夫氏は井村氏同様“その場で叱る派”を自認していらっしゃいます。

 人を育てる方法は時と場合による、一様ではない、ということですね。間違いなく言えることは、上に立つ人の本気度が試されるということでしょう。井村スタイルもよし、違うスタイルもよし。リーダーの取り組む本気度と温かい愛こそが、チームとしての課題を越え、ステージを上げる原動力なのだ、と心を引き締めました。

2018.01.01:[ハモコミ通信2018]

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